40代転職の年収事情|年収アップを実現するための交渉術

転職

「40代で転職すると、年収は下がってしまうのだろうか」——転職を考える40代の多くが抱く不安です。長年働いて積み上げてきた年収水準を手放すことへの躊躇は当然のことでしょう。しかし、実際のデータを見ると、40代の転職で年収がアップする人は決して少なくありません。厚生労働省の調査によると、40代転職者の約40%が転職後に年収増加を実現しています。また、マイナビの調査では、転職後の平均年収は転職前より22万円増加しているというデータもあります。本記事では、40代転職における年収の現実を詳しく解説するとともに、年収アップを実現するための具体的な交渉術、タイミング、注意点をご紹介します。適切な準備と交渉により、40代でも年収アップは十分に可能なのです。

40代転職の年収事情:データで見る現実

約40%が年収アップを実現している

まず、40代転職における年収変動の実態をデータで確認しましょう。厚生労働省の「令和5年上半期雇用動向調査結果の概要」によると、40代の転職後の賃金変動状況は以下の通りです。「増加」が約40%、「変わらない」が約30%、「減少」が約30%という結果が出ています。つまり、40代転職者の約4割が年収アップを実現しており、年収が変わらない人を含めると約7割が年収を維持または向上させているのです。

また、dodaの調査によると、年齢と性別から見る年収アップの平均額では、「40〜44歳」が最も高く、平均で約100万円の年収アップを実現しています。これは、40代前半までは豊富な経験とスキルを持ちながら、まだ成長余地もあると企業から評価されやすいためです。45歳を過ぎると平均アップ額はやや下がりますが、それでも年収アップを実現している人は一定数存在します。

一方で、転職による年収の一般的な上がり幅は、前職の1.1倍、つまりプラス10%程度と言われています。年収400万円の人は440万円、年収600万円の人は660万円が目安です。もちろん、これ以上の大幅な年収アップを実現する人もいますが、現実的な目標としては10〜20%程度のアップを目指すのが妥当でしょう。

40代の平均年収と業種別の違い

次に、40代全体の平均年収を確認しておきましょう。国税庁の「令和3年民間給与実態統計調査」によると、40〜44歳の平均年収は男性584万円、女性324万円、45〜49歳では男性630万円、女性328万円となっています。ただし、これは全業種・全職種を含めた平均値であり、業種や職種、企業規模によって大きく異なります。

業種別で見ると、金融業界の40代平均年収は約566万円と最も高く、次いでメーカーが約545万円となっています。IT業界、コンサルティング業界、不動産業界なども比較的高い水準です。一方、小売業、飲食業、介護業などは平均年収が低めの傾向にあります。業種によって200万円以上の差があることを理解しておく必要があります。

企業規模別では、大企業(社員1000人以上)の40歳平均年収は約712万円、中堅企業(100〜999人)は約571万円、中小企業(10〜99人)は約495万円となっています。大企業と中小企業では約200万円の差があり、転職先の企業規模も年収に大きく影響します。

また、日経転職版が大学卒以上の会員に聞いた調査では、40代の平均年収は825万円(男性927万円、女性598万円)という結果が出ています。これは大卒以上というセグメントに限定しているため、全体平均より高い数値となっています。自分の学歴や職種、業界を考慮して、現実的な年収目標を設定することが重要です。

年収が下がるケースと上がるケース

40代転職で年収が下がるケースと上がるケースには、それぞれ特徴があります。まず、年収が下がりやすいケースから見ていきましょう。

年収ダウンになりやすいのは、以下のようなケースです。第一に、大企業から中小企業への転職です。企業規模が小さくなると、一般的に給与水準も下がります。第二に、未経験職種・未経験業界への転職です。新しい分野でゼロからのスタートとなるため、一時的な年収ダウンは避けられないことが多いです。第三に、ワークライフバランスを重視した転職です。残業が少ない、休日が多いといった条件を優先すると、年収は下がる傾向にあります。第四に、地方への転職です。都市部と地方では生活費だけでなく給与水準も異なるため、地方転職では年収が下がることが一般的です。

一方、年収が上がりやすいケースは以下の通りです。第一に、同業界・同職種での転職です。これまでの経験とスキルを最大限に評価してもらえるため、年収アップの可能性が高まります。特に、中小企業から大企業、または成長企業への転職では大幅な年収アップも期待できます。第二に、マネジメント経験を活かした転職です。管理職としての採用では、高い年収が提示されることが多いです。第三に、専門性の高いスキルを持つ人材の転職です。IT、DX、データ分析など、市場で需要の高いスキルを持っている場合、複数企業からオファーを受けることもあり、年収交渉も有利に進められます。第四に、成長産業への転職です。伸びている業界では人材獲得競争が激しく、好条件を提示する企業が多いです。

年収アップを実現するための準備

市場価値の正確な把握

年収交渉を成功させる第一歩は、自分の市場価値を正確に把握することです。「自分はこれくらいの年収をもらえるはず」という思い込みではなく、客観的なデータに基づいて自分の市場価値を理解する必要があります。

市場価値を把握する方法はいくつかあります。第一に、転職サイトの年収診断ツールを活用することです。dodaやリクナビNEXT、ビズリーチなどの大手転職サイトでは、年齢、職種、業界、経験年数などを入力することで、推定年収を算出してくれるツールがあります。複数のサイトで診断し、平均値を取ることで、より正確な市場価値がわかります。

第二に、同業他社の求人情報をチェックすることです。自分と同じ職種・同じレベルの求人で提示されている年収レンジを確認することで、相場感を掴むことができます。ただし、求人票に記載されている年収は幅があることが多いため、実際の提示額は面接を通じて確認する必要があります。

第三に、転職エージェントに相談することです。エージェントは多くの転職事例を扱っており、あなたのスキルや経験が市場でどの程度評価されるかを教えてくれます。また、希望する業界や企業の年収水準についても詳しい情報を持っています。複数のエージェントと面談し、意見を聞き比べることで、より正確な市場価値が見えてきます。

第四に、口コミサイトや企業の年収情報サイトを活用することです。OpenWork、転職会議、ライトハウスなどのサイトでは、実際に働いている(または働いていた)社員の年収情報が掲載されています。応募を考えている企業の年収水準を事前に確認しておくことで、交渉時の参考になります。

実績の定量的な整理

年収交渉では、「なぜその年収に値するのか」を具体的に説明する必要があります。そのためには、これまでの実績を定量的に整理し、自分の価値を明確に示すことが重要です。

実績の整理方法として効果的なのは、「成果を数値化すること」です。例えば、営業職であれば「前年比120%の売上達成」「新規顧客を50社獲得」「顧客継続率を85%から92%に向上」といった具体的な数字で成果を示します。マネジメント職であれば「15名のチームを率いて3つのプロジェクトを完遂」「部下の離職率を20%から5%に低減」などです。

数値化が難しい職種でも、何らかの形で成果を可視化する工夫が必要です。例えば、人事職であれば「採用コストを30%削減」「研修プログラムを刷新し、社員満足度が80点から90点に向上」、企画職であれば「新規事業の立ち上げに成功し、初年度売上3000万円を達成」などです。

実績をまとめる際には、職務経歴書とは別に「実績シート」を作成することをお勧めします。時系列で主要プロジェクトをリストアップし、それぞれの「目標」「実施内容」「成果」「学び」を記載します。このシートは面接時の資料としても使えますし、年収交渉の際の根拠資料としても活用できます。

希望年収の明確化と根拠の準備

年収交渉に臨む前に、自分の希望年収を明確にしておく必要があります。ただし、「できるだけ高く」という漠然とした希望ではなく、具体的な金額と、その根拠を準備しておくことが重要です。

希望年収を設定する際のポイントは、「現実的な範囲」と「最低ライン」を決めることです。市場価値を把握した上で、「理想の年収」「現実的な年収」「最低限必要な年収」の3段階で設定します。例えば、現職の年収が600万円の場合、「理想700万円」「現実的650万円」「最低600万円」といった形です。

希望年収の根拠としては、以下のような要素を組み合わせます。第一に、現在の年収です。「現職では〇〇万円をいただいており、転職後も同等かそれ以上を希望します」という基準になります。第二に、市場相場です。「同業界・同職種の相場が〇〇万円であることを確認しており、その水準を希望します」と客観的なデータを示します。第三に、自分の実績です。「これまでに〇〇の成果を出しており、その経験を活かして貴社でも貢献できるため、〇〇万円を希望します」と説明します。

また、年収だけでなく、福利厚生や手当なども考慮に入れる必要があります。住宅手当、家族手当、交通費、退職金制度などを含めた「総合的な待遇」で判断することが重要です。例えば、年収自体は少し下がっても、住宅手当が充実していれば実質的な手取りは変わらない、というケースもあります。

年収交渉の実践テクニック

年収交渉の最適なタイミング

年収交渉は「いつ、どのタイミングで行うか」が成功を左右します。タイミングを間違えると、企業に悪い印象を与えたり、交渉自体がうまく進まなかったりする可能性があります。

最も理想的なタイミングは、「内定後、内定承諾前」です。企業側が「この人を採用したい」と決定し、内定を出した後であれば、企業側も年収について柔軟に対応する余地があります。一方、まだ内定が出ていない面接の段階で年収交渉を持ち出すと、「この人は年収しか興味がないのか」というネガティブな印象を与える可能性があります。

ただし、面接の中で企業側から「希望年収はいくらですか?」と聞かれるケースもあります。この場合は、正直に希望を伝えつつ、「ただし、業務内容や貴社での役割を理解した上で、柔軟に考えたいと思います」といった前向きな姿勢も示すことが大切です。最初から高額な年収を提示すると、企業側が「予算オーバー」と判断して選考から外してしまう可能性もあるため、バランスが重要です。

また、転職エージェント経由で応募している場合は、エージェントが年収交渉を代行してくれます。この場合、内定が出た段階でエージェントに希望年収を伝え、企業との交渉を依頼します。エージェント経由の方が、直接交渉するよりも成功率が高い傾向にあります。エージェントは交渉のプロであり、企業側との関係も考慮しながら、適切な言い回しで交渉を進めてくれるからです。

効果的な年収交渉の伝え方

年収交渉では、「何を、どう伝えるか」が極めて重要です。単に「もっと高い年収が欲しい」と言うだけでは、企業は応じてくれません。ロジカルかつ謙虚な姿勢で、希望を伝える必要があります。

効果的な年収交渉の基本構成は以下の通りです。第一に、感謝の意を示します。「この度は内定をいただき、誠にありがとうございます。大変光栄に思っており、ぜひ貴社で働かせていただきたいと考えております」と、まず企業への感謝と入社意欲を伝えます。第二に、希望年収を明確に伝えます。「つきましては、待遇面について一点ご相談させていただきたいのですが、年収について〇〇万円を希望しております」と具体的な金額を提示します。

第三に、根拠を説明します。「現職では△△万円をいただいており、また同業界の相場も確認したところ〇〇万円程度と認識しております。これまでの実績として□□の成果を出しており、貴社でもそのスキルを活かして貢献できると考えております」と、客観的な根拠と自分の価値を示します。第四に、柔軟性も示します。「もちろん、貴社の給与体系や予算もあるかと存じますので、ご検討いただける範囲でご調整いただければ幸いです」と、一方的な要求ではなく、相談・お願いのスタンスを取ります。

言い方の具体例としては、「現職では年収600万円をいただいております。転職後も同等かそれ以上の年収を希望しておりまして、650万円程度をご検討いただけないでしょうか。私のこれまでの実績としては、〇〇プロジェクトで売上を前年比120%に伸ばした経験があり、貴社でも同様の貢献ができると考えております。もちろん、貴社の評価制度や給与体系もございますので、柔軟に考えたいと思いますが、ご検討いただければ幸いです」といった形です。

また、年収だけでなく、「評価制度」や「昇給の見込み」についても確認することが重要です。「初年度の年収が希望より低くても、1年後、2年後の昇給が見込めるのであれば、長期的な視点で判断したいと考えています。貴社の評価制度や昇給の実績について教えていただけますでしょうか」と質問することで、将来的な年収の伸びも含めて判断できます。

転職エージェントを活用した年収交渉

年収交渉が苦手な方、または交渉経験が少ない方には、転職エージェントを活用することを強くお勧めします。エージェント経由の年収交渉は、自分で直接交渉するよりも成功率が高く、かつ企業との関係を悪化させるリスクも低いからです。

転職エージェントを活用するメリットは複数あります。第一に、エージェントは交渉のプロであり、適切な言い回しやタイミングを熟知しています。企業側との関係も長期的に築いているため、どこまで交渉可能かを見極める力があります。第二に、エージェントが間に入ることで、直接的な金額交渉を避けられます。自分で「もっと高い年収が欲しい」と言うと角が立つこともありますが、エージェント経由であれば「候補者がこのような希望を持っている」という形で穏やかに伝えられます。

第三に、エージェントは市場相場や他社の提示額を知っているため、説得力のある交渉ができます。「同様のスキルを持つ候補者は、他社では〇〇万円の提示を受けています」といった情報を企業に伝えることで、企業側も年収アップを検討しやすくなります。第四に、エージェントは年収以外の条件交渉もサポートしてくれます。入社日、勤務地、リモートワークの可否、役職など、様々な条件を総合的に交渉してくれます。

エージェントを活用する際のポイントは、初回面談で自分の希望を明確に伝えることです。「最低でも現職と同等の年収を希望します」「可能であれば〇〇万円を目指したいです」といった具体的な希望を伝えておけば、エージェントはその実現に向けて動いてくれます。また、内定が出た段階で、すぐにエージェントに連絡し、年収交渉を依頼することも忘れないようにしましょう。

年収交渉で避けるべきNG行動

非現実的な金額を要求する

年収交渉で最もやってはいけないのは、市場相場や自分の実力を無視した非現実的な金額を要求することです。例えば、現職の年収が500万円で、市場相場も500〜600万円程度なのに、「800万円を希望します」といった要求をすると、企業側は「この人は現実が見えていない」と判断し、内定自体を取り消すこともあります。

年収交渉は「交渉」であり、「一方的な要求」ではありません。企業側にも予算や給与体系があり、無理な要求に応じることはできません。市場相場を把握し、自分の実績を客観的に評価した上で、現実的な範囲での交渉を心がけることが重要です。一般的には、現職の年収の10〜20%アップが現実的な目標とされています。それ以上のアップを目指す場合は、それに見合う実績やスキルを明確に示す必要があります。

強気すぎる態度や高圧的な言い方

年収交渉は「お願い」であり「交渉」です。「絶対に〇〇万円でなければ入社しません」といった高圧的な態度は、企業に悪い印象を与えます。特に40代の転職では、「協調性」「謙虚さ」も重要な評価ポイントです。強気すぎる態度は、入社後の人間関係への懸念を生み、内定取り消しにつながる可能性もあります。

年収交渉では、あくまで「相談」「お願い」のスタンスを保つことが大切です。「もし可能であれば」「ご検討いただけないでしょうか」「貴社の状況もあるかと思いますが」といった柔らかい言い回しを使い、企業側に配慮する姿勢を示すことが重要です。謙虚でありながらも、自分の価値はしっかり伝える、というバランス感覚が求められます。

年収だけに固執する

年収交渉で失敗しがちなのが、年収だけに固執し、他の重要な要素を見落とすことです。もちろん年収は重要ですが、それだけが全てではありません。仕事内容、成長機会、ワークライフバランス、企業文化、将来性など、総合的に判断することが大切です。

特に40代の転職では、「長期的なキャリア形成」の視点が重要です。目先の年収が少し低くても、成長産業で専門性を高められる環境であれば、2〜3年後には大幅な年収アップが期待できます。逆に、高い年収を提示されても、業界の将来性が不透明であったり、激務で体を壊すリスクがあったりする場合は、慎重に判断する必要があります。

また、年収以外の条件交渉も視野に入れるべきです。例えば、希望年収に届かない場合でも、「入社半年後に再評価していただけないでしょうか」「成果を出した場合の昇給の可能性について教えてください」といった形で、将来的な年収アップの道を確認することもできます。リモートワークの可否、フレックスタイム制度、副業の可否なども、総合的な満足度に影響する重要な要素です。

年収交渉の成功事例

事例1:実績を示して年収30万円アップ(営業職・43歳男性)

Jさん(43歳・男性)は、BtoB営業として15年以上のキャリアを持ち、現職では年収650万円でした。同業界の成長企業への転職を希望し、内定を獲得しましたが、当初の提示額は620万円でした。Jさんは転職エージェントを通じて年収交渉を依頼しました。

エージェントは、Jさんの実績を詳細にまとめた資料を企業に提示しました。「前年比150%の売上達成」「新規顧客50社獲得」「顧客継続率92%」といった具体的な数値と、「同業界での実績があり、入社後すぐに貢献できる」という価値を強調しました。また、「同業界の相場は650〜700万円であり、Jさんの実績を考慮すると、650万円は妥当な水準」という市場データも添えました。

企業側は検討の結果、年収を650万円に引き上げることを決定しました。Jさんは「現職と同等の年収を維持でき、かつ成長企業で新たな挑戦ができることに満足しています」と語っています。この事例のポイントは、実績を具体的な数値で示し、市場相場も提示したことで、企業側を説得できたことです。

事例2:段階的な昇給を条件に転職を決断(マーケティング職・45歳女性)

Kさん(45歳・女性)は、マーケティング職として12年のキャリアを持ち、現職では年収580万円でした。IT企業のマーケティングマネージャー職に応募し、内定を獲得しましたが、提示額は550万円でした。Kさんは年収ダウンに躊躇しましたが、この企業での成長機会に魅力を感じていました。

Kさんは面接時に、人事担当者に相談しました。「提示いただいた年収は現職より30万円低いため、正直迷っております。ただ、貴社での仕事には大変魅力を感じており、ぜひ入社したいと考えています。もし可能であれば、入社後半年で再評価していただき、成果を出せた場合には昇給をご検討いただけないでしょうか」と丁寧に伝えました。

企業側は、Kさんの熱意と柔軟な姿勢を評価し、「入社後半年で評価を行い、成果が出ていれば年収580万円への昇給を検討します」という条件を提示しました。Kさんはこの条件を受け入れ、転職を決断しました。入社後、Kさんは期待以上の成果を出し、半年後には約束通り年収580万円に昇給しました。さらに1年後には600万円まで上がり、最終的には転職前より年収アップを実現しています。

この事例のポイントは、「短期的な年収ダウンを受け入れつつ、将来的な昇給の道を確保した」ことです。初年度の年収だけでなく、評価制度や昇給の見込みを確認し、長期的な視点で判断することの重要性を示しています。

事例3:複数内定を活用して年収100万円アップ(IT職・42歳男性)

Lさん(42歳・男性)は、ITエンジニアとして豊富な経験を持ち、現職では年収700万円でした。転職活動の結果、3社から内定を獲得しました。A社の提示額は720万円、B社は750万円、C社は700万円でした。Lさんが最も入社したかったのはA社でしたが、提示額が最も高いのはB社でした。

Lさんは転職エージェントを通じて、A社に「他社からより高い年収提示を受けているが、貴社への入社を強く希望している。年収について再検討いただけないか」と伝えました。エージェントは、B社の提示額(750万円)と、Lさんのスキルの市場価値を説明し、「750万円程度であれば、Lさんは即座に入社を決断する意向です」と交渉しました。

A社は検討の結果、年収を800万円に引き上げることを決定しました。これは当初の提示額より80万円、現職より100万円のアップでした。A社としては、優秀な人材を確実に確保するために、思い切った提示をしたのです。Lさんは希望通りA社への入社を決め、大幅な年収アップも実現しました。

この事例のポイントは、「複数内定を活用して交渉力を高めた」ことです。他社からの高額オファーがあることを示すことで、企業側も競争を意識し、年収アップに応じやすくなります。ただし、この戦略は使い方を間違えると「他社をちらつかせて揺さぶっている」と悪印象を与える可能性もあるため、エージェント経由で慎重に進めることが重要です。

まとめ:年収交渉は準備と戦略が全て

本記事では、40代転職における年収事情と、年収アップを実現するための交渉術を詳しく解説しました。データで見ると、40代転職者の約40%が年収アップを実現しており、適切な戦略があれば年収を上げることは十分に可能です。

年収交渉を成功させる鍵は、「準備」と「戦略」です。市場価値を正確に把握し、実績を定量的に整理し、希望年収の根拠を明確にする。そして、適切なタイミングで、ロジカルかつ謙虚に交渉を進める。転職エージェントを活用することで、成功率はさらに高まります。

一方で、非現実的な要求、高圧的な態度、年収だけへの固執といったNG行動は避けなければなりません。年収は重要ですが、それだけが全てではありません。仕事内容、成長機会、ワークライフバランスなど、総合的に判断することが、40代転職の成功には不可欠です。

次回の記事では、「40代女性の転職|ライフステージを考慮したキャリア設計」として、女性特有のキャリア課題や転職戦略について詳しく解説します。40代女性の転職には、男性とは異なる配慮が必要な場面もあります。ライフステージを考慮しながら、どのようにキャリアを築いていくか、具体的な方法をお伝えします。

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